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「ハイドロテクトコートで住宅デザインはここまで自由に」Kaデザイン一級建築士事務所代表 山本健太郎氏

Architect's Voice ハイドロテクトコートを語る Vol.6 建築家・山本健太郎氏、光触媒コーティング材の可能性をシュミレーション

変わる屋根や壁の関係、“汚れ”に縛られていた常識の解放

最近では白い外壁を希望するお施主様も増えているので、外壁の汚れは避けて通れないテーマですね。ハイドロテクトコートで何が変わるのか、まず最初に頭に浮かんだのは建物の垂直と斜線の関係。普通なら屋根は雨や汚れを流すために斜めになって庇が飛び出しているし、壁面は雨を浴びないように垂直に立ち上がっている。さらに屋根は壁とは別の耐候性の強い素材や塗料でつくられています。一見常識とも言えるこんな構成も、汚れの付着を避けようと進化してきたもの。ハイドロテクトコートのようなセルフクリーニング効果のある塗材を使えば、雨による筋状の“汚ダレ”を気にせずに済むから屋根と壁を明確に分ける必要もなくなってくる。垂直の壁を斜めにしたり、壁と屋根の仕上げを一緒にしたりしても良い訳です。こんな発想で考えたのが、ホームベースを寝かせたような5角形の家(図1)。ハイドロテクトコートを使えば、壁面と屋根の境界がいらなくなるんです。汚れが付着しないという外壁の性能を活かすことで、空間の内部の容積が増え、快適さが増していく。斜線規制の厳しい土地で、内部の容積を確保しながら駐車スペースも確保できます。

図1 屋根と壁面の関係の変化/汚ダレを気にせずに済むようになると屋根の庇が不要になり、斜めの壁面も可能に/斜めの外壁が空間の体積と駐車スペースを確保。内部空間も快適に変える 図1
屋根と壁面の関係の変化

地面と建物の関係も変わる、大胆な遊び

建物と地面の関係も変わると思います。普通は土の上にコンクリートの基礎があって、その上にモルタルやサイディングの外壁が貼られている。基礎が剥き出しなのは泥がはねるからなんですが、地面と基礎が丸見えの家ってなんだか味気ないでしょ?僕の場合は、家の周りに植栽をしたり、玉砂利を敷いたりしていますが、ハイドロテトコートなら地面から一気に同じ仕上げができる。例えば家の周囲の地面と外壁を同じ素材、仕上げにして、ニュ~っと伸びてきたようなデザインにするとか(図2)。ハイドロテクトコートは泥はねを気にしなくてすむし、もし付いてもすぐに洗い流せるから、大胆にデザインに遊びを持ち込めるんです。

図2 地面と建物の関係の変化/泥はねがついても、水で軽く洗い流せるので、地面から壁面と同じ仕上げができる 図2
地面と建物の関係の変化

よりシンプルに、シームレスに、自由になっていくデザイン

サッシは窓の下の外壁部分に筋状の汚ダレがつかないよう、水切りが外側に突き出すように付いているのが常識ですが、ハイドロテクトコートの外壁はこうした汚れがつきにくいので、大きな水切りは要らなくなる。鉄骨造ならそれこそステンレスのプレート1枚乗せてOKみたいな(図3)。窓全体もかなりシンプルになります。時々、建売住宅を見てて「なんかゴテゴテと線が多くて格好わるいなぁ」と思うのは、汚れないように水切りや笠木といったパーツを安易にくっつけて、住宅が“逃げのデザイン”になっているから。汚れというのもにデザインが縛られているんです。ハイドロテクトコートを使うと各部分の役割や、仕上げの境界がなくなって、どんどんシンプルに、シームレスになっていく。『窓はこうあるべき』なんていう制約がなくなって、全く新しい発想でデザインできるようになるんです。これはデザインする側にとっても、住む側にとっても大きなメリットだと思いますね。

図2 ディテールの変化/筋状の汚れが付きにくいため、大きな水切りが不要に。窓のデザインの自由度がアップ 図3
ディテールの変化

※LIVES Vol.47 OCT.-NOV. より抜粋

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